はい。DIYの中華プリンタキットですね。とりあえず組んで2,3出力したことで傾向が見てきたのでレビュー。基本的には以前買ったAnetA6プリンタと比較です
ざっくりと
- Prosよかった
- 本体2まんえん
- 簡単な組立、箱から出して電源ONまで120分程度で可能
- 持ち運びにも耐える強靭なフレーム、歪みにくい。比較的軽量
- 造型サイズ150mm四方でまずまずの広さ
- ヒートベッドあり
- 液晶&UIはAnetA6相当。microSDからスタンドアロン出力可能。AutoLeveling(自動ではない)機能があって便利
- 電源パック以外が一体化、スプールホルダーもついてて省スペース
- 電源パック端子にカバーがついた!
- Consわるかった
- 簡素なマニュアル。各種袋やケーブルにラベルが貼ってあるとはいえ、組立から配線までがペラ1なのは中々察しがいる
- 片持ち式故にXYZ軸、すべての軸でズレ/歪みが発生しやすい
- ヒートベッドの調整ネジが空転しやすい。左ねじへのアクセスが悪い(せまい)
- 空冷ファンはなし
購入&開梱
感触的には3,4kgぐらい?そこそこサイズはあるけどそんなに重くないパッケージだ。パーツ数はAnetA6とくらべて、非常に少ない。マニュアルはペラ1紙と、USBメモリ(microSD)。
ハードウエア組立については、マニュアルがペラ1しかなくてビビる(裏面は電源の警告)。
「ここにプーリー」「ここにタイミングベルト」ぐらいの指示で組み上げにこまることはなかったが、パーツ形状を見て察せる人でないと悩むだろう。汎用のシステム化されたフレーム材を使っていてサクサク組み立てられて、強度がある。マニュアルは簡素だが、ネジやケーブル類は袋ごとやコードごとにラベル付されているのでスムーズだった。
そもそもパーツ数がAnetA6と比べると1/5ぐらいだろうか。バラバラになっているように見えて、細かいパーツは組み付けられており、シャフトの様な大物パーツと半完成ユニットで大半が出来ている。Y軸ベルトを貼ってZ軸を立てたら、X軸を付けた半完成エクストルーダユニットを載せると完成する、という感じ
配線もまとまっておりラベルに従ってコネクタをつなぐ。ケーブルはフラットケーブルとしてまとまっていて、途中でモジャモジャになることもない。5分ぐらいで済むのは感動的だ。
ただ、フィラメントを通すチューブの接続などは説明がやはりないので察しが必要。惜しい。総じてシステマチックに出来ていて素早くキレイに組み上がるが、所々情報が足りない
休憩含めても開梱から120分程度で電源投入まで持っていくことができた。素晴らしい。電源ユニットの入力電圧スイッチだけは確認のこと
てっきり電源ユニットも一体化しているものと思っていたが、ケーブルで分かれていて邪魔くさい。一体化しててコンパクトなところがいいな、と思って買っただけにここは惜しいポイント
操作とキャリブレーション
この辺のUIはAnetA6とほぼおなじファーム系のようで、あまり差がない。メニューが入れ替わったりしてメニュー階層が深いとかはあるものの差はあまりなし
キャリブレーションについてはAutoLevelingという機能がメニュー内に増えている。単にヘッドを4カド+中央1箇所へ順に移動させてくれる機能で、ベッドの調整はおまえがやれ(人力)という感じで全然Autoではないのだか、これがなかなか便利
自分が組んだ時では、プリント以前にY軸レールのローラー保持がガタガタになっていたため、Y軸ローラー周辺をバラして組み直したところ、ガタが取れて滑らかに動くようになった。この辺は察しが要求されるなあ
今回のテストでは後でバラすために造型シートは貼らず、代わりに3Mのマスキングテープを貼った。ベッド高さ調整ネジは3点で固定するタイプで、ツマミが大きくて便利!かと思いきや、向かって左の調整ネジが操作パネルとY軸レールに挟まれたスキマにあっていじりにくい。加えてベッド側にネジが切ってないためスルスルと空転してしまう。ネジの位置は個人では改造しづらいが、調整ネジの固定ぐらいはしても良さそうだ。要改良ポイント
エクストルーダモーターとノズルが離れるボーデン式は初めてだったが、フィラメント装着しやすさはAnetA6とくらべても対してかわらず。Prepare -> Preheat PLAでエクストルーダを温めたら、送りギア止めを押さえながらフィラメントを押し込めば、ノズルからPLAがにゅるりして準備完了だ
プリントについてはおなじみのslic3rを使って、STLをGCODEに変換。GCODEをmicroSDに書き出し、それをEnder-2本機に指して、Print from SD。この辺もAnetA6と同じ。この辺は付属microSDがうまいこと読めなかったのでパスして、いつもの覚えてる手順でやった
設定もだいたい同じ。
- PrintSetting
- LayerHeight 0.25mm
- FilamentSetting
- Fillament
- Diameter 1.75mm
- Temperature Extruder FirstLayer:205 Other:200
- Bed FirstLayer:50 Other:30
- PrinterSetting
- G-code Flavor: RepRap(Marlin/Sprinter/Reprier)
- BedShape Rectangular Size:150x150 Origin-10x-10
- Extruder1 Nozzle diameter 0.4mm
とかそんな感じで。だいたいSli3rの初期設定で動くが、FilamentDiameter、G-codeFlaverあたりを指定してあげると良い
AnetA6同様にヘッドスピードまだまだ上げても追従できるようなので、速度にコダワリたい人はいじって良さそう
で。
悪くない出来。…なのだが、実はこの出力品、平行四辺形に歪んでいる。
というのも片持ち式で単に根本でネジ止めしているだけなので、Z軸の柱がどうやら少し(1°ぐらい?)回転しているようす。後々分かるのだがX軸レールもやや右肩上がりにズレていた。適当に組んだので仕方ない、という見方もできるがこれをジグなしに、正確に直角に組むのは難しいだろう
感想とか
組立は簡単で見た目のまとまりもよい、その点ではオススメできるのだが、マニュアルの不足感と軸ズレ調整の難しさが大いに気になるところ。
これをさらりを組めてターノシーできる人は相応にプリンタ知識がありそうなので、このスペックと精度では物足りなさそう。逆にそうでない人は組み上げてサラリと出力するは難しいのではないか。3Dプリンタ持ちの知り合いがいて、すぐ相談&手伝ってもらえる初心者ならオススメできるのかな?
ターゲットユーザにイマイチ最適化しきれてない感じが惜しい。
このタイプのフレームについてはかなり良い感触。組立易く強度があるので、次は同フレームを使った他機種を試してみたい