個人的前提
ロードバイク熱がちょっと戻ってきて、友達にアルミロードを貸す機会が出てきたのもあって、サブのサイコンが欲しくなってきた。メインとしてはLezyne SuperProGPSを使っていて、それとの比較になる。
コストはあまり掛けたくないが、
という感じで、なんかないかな~と見ていた所でXOSSのNav plusが目に止まった。
XOSSは深センのメーカー、Amazonなどでは心拍センサー/スピード/ケイデンスセンサーではそれなりにシェアを確保していると思われるが、サイコンはあまり主張できてないように感じる*2
購入と価格
購入時価格は本体*3にアクセサリー(保護フィルム、アウトフロントマウント、カバー)込みのセットで7000円ほど。以下の写真ではスピード/サイコンVortexセンサー2つも載せているが、センサー2つで3000円ほど。
写真全体でだいたい1万円という感じで、かなりお買い得な構成になっている。
ここに同じくXOSSなりの心拍計を追加しても、概ね1.5万円~2万円程度で心拍トレーニングが始められることになる。圧倒的だ
以下公式リンク。公式だと$99だが、Aliexpressだともっと安い(2024/6現在)
XOSS NAV Plus Bike Computer Wireless Cycling GPS Speedometer Map Navigation Waterproof Bluetooth ANT+ Cadence Speedxoss.co
新旧の差に注意
ややこしいが、このシリーズには旧式のNav無印と、新しいNav plusがあるらしい。
新旧では、ストレージ容量が32倍!機能面でもマップの有無が違うため、大きく機能が異なる。
外装が黒がNav無印、シルバーがNav plusと思われる。Aliexpressセラーによってはplusではなくpro表記になっているものもあるが、plusのことを指している雰囲気はあるものの詳細は不明。
国内Amazonを見る限りでは、旧式Nav無印しか販売されていなかった*4ので、必然的にAliexpressでの購入になるだろう。またAliexpressでもNav無印とNav plusがほぼ同額で販売されており、購入時はよく確認が必要だ
外見まわり
XOSS Nav plus、Lezyne SuperProGPS(比較対象)
SuperProGPSと比べると、2周りほど大きく、厚みは2/3ぐらい。重量はSuperProGPSが実測63gに対して、XOSS Nav plusは61g。
なまじ重量が近いのにボディは2周り大きいため、手に持つと妙にスカスカ感は感じる。銀枠でごまかされているが、結構額縁が太い。ガーミンマウントを採用していることもあり、ハンドルに付ける場合は多少場所に困るかもしれない
操作はこんな感じ。上下キーは基本的にはメニュー操作専用で、基本的には下の2ボタンで運用は完結するような感じだ
背面にはガーミン互換マウントと、ゴムキャップ付きのUSB-Cポートがある
スマホ連携
基本的にはLezyne SuperProGPSやWahoo系と同様、「スマホとそのアプリ連携を前提としたタイプのサイコン」だ。そのため、ナビゲーションのルート設定やStrava連携には、iPhone/Androidのどちらかは必須になる
iPhoneでの設定はこんな感じ。データカスタマイズが表示項目、ルートブックがナビゲーションのルート情報になる。地図は項目としてあるが、PCでの更新方法の案内だけである
すべて日本語化されており、使い勝手は良い感じだ
ルートブック(ナビのルート)の作成は、スマホアプリ上でも出来るが、ルーティングはあまり上手くないようだ。と言ってもLezyneやRideWithGPSでのデフォルトと対して変わるほどではない。
スマホ上でのウェイポイント作成は15箇所に限られるため、基本的にはPCなり別環境でやってXOSSでインポートするのが良いともう。インポートはgpx形式。gpxファイルを開くことでインポートできる。PCを使うならRideWithGPSなど使い慣れた外部ツールでルートを作成し、eメールの添付ファイルとしてgpxファイルをスマホへ送りつけるのが楽だろう
ルートブックは作成/インポートするとXOSSアプリ内のwebサービスにアップロードされる。デフォルトでは公開する設定になってるので、この点だけは注意しよう
XOSSアプリ上では、他人の公開状態のルートも取り込めるようになっている。完全に個人単位プライベート仕様なLezyneのサイトとは、ちょっと思想が異なるようだ
ルートブックは本体に格納され、本体メニューから利用できる。ただし、ルートブックの名前などは表示されず、登録IDや総距離を見て選ぶ必要があった。このため、区別できないようなたくさんのルートを詰め込むのは向いていないと思われる
ざっくり使用感
前述のようにLezyne SuperProGPSとの比較になる。カタログの機能面ではSuperProGPSに匹敵するレベルである
良いポイント
- ほしい機能は揃っていた
- SuperProGPSと比べても極端に見劣りしない液晶
- 豊富な接続性
- BLE/ANT+両対応
- スピード、ケイデンス、心拍、パワー、Di2対応
- 日本語対応
- Nav無印では日本語非対応のレビューを見かけた。plusのメリットかもしれない
- スマホ連携は概ね優秀
- 地図はプリインストールされている
- 地図が国内全域がインストール済み。そのため4GBのストレージ中、2Gほどがすでに専有されている
- SuperProGPSではストレージに地図すべてが入り切らず、特に遠くへの旅行のときは事前にダウンロードが必要だった。このミスが起きないのはありがたい
- 更新にはPCが必要。Nav plusをPCへ接続し、公式サイトからDLしたデータで上書きする
- マップ・ナビの拡大縮小表示幅が広い
- かなり広域な表示モードがあるのは嬉しい
- ガーミン互換マウントの装着感が良い
- 付属のゴムバンドマウント、別売のアウトフロントマウント共に良好
- 横長表示枠にグラフ表示がある
- 速度、標高、心拍、パワーでこの表示が選べる。たのしい
気になるけど、まあいいかポイント
- 全体的にもっさり感のある挙動
- メニューでは、ページ遷移後に項目を読み出すシーンが見てわかるほどもっさりしている
- CPUが弱いのか?
- 表示項目は最大7
- 上から1,2,2,2の分割が最大。一番上の黒背景枠は各種ステータス表示を兼ねているため、このような仕様になってるようだ
- センサーとの接続方式が不明
- BLEとANT+両方に対応したセンサーの場合、Navplus側では接続方式を選ぶ操作がないため、どちらの方式で接続しているかわからない
- マップ・ナビはノースアップ固定
- 多分地図を回すCPUパワーがないのであろう。現代的なヘッドアップ派には辛いかもしれない
- マップ・ナビの地図表示はとても遅い
- 最初の表示にはたっぷり10秒ぐらい掛かる
- スマホを連携しないと時計が表示されない
- ルートブック(ナビのルート情報)は取り込む際に、デフォルト設定だとそのまま公開されてしまうので注意
- パワーメーターのキャリブレーションを呼ぶ操作はない
- ワークアウト(走行記録)は同期すると自動アップロードされる
- strava連携していると、スマホ同期で自動アップロードされて手間がない
- が、余計なワークアウトを単体で消すことができないため、保存してしまうと強制でstravaまで上がってしまう
- バックライトはオート/オン/オフのみ
- 通常画面に手動で点灯させる操作があると良かったかな
悪いポイント
- 全体的質感はチャチい
- 外装の質感がチャチ
- 電源オン操作が長い
- 5秒程度の長押しからディスプレイに動きが出るまでに、2,3秒たっぷりとタイムラグがあり、最初は「起動方法間違えたか?」と思うほど
- 電源オフ操作が一手間掛かる
- 「ボタン長押しメニュー→カーソルを一番下(電源オフ)へ→決定」の操作が必要
- 保護フィルムとカバーはサイズがだいたいしか合っていない
- 保護フィルムは上下が小さい
- カバーは液晶下部分に隙間が出来、Nav plus本体に密着しない
未チェック
- 高度センサーと傾斜(スロープ)表示
全体評価
概ね上位機種が抑えているような、リッチな機能をカバーしていて、すごい。スペックシート上では上位機種に見劣りしないサイコンだ。スマホ連携も快適で、ルートが公開できてしまう点以外特に気になるポイントは今のところない
ただし、外装質感の安っぽさ、やや大柄な筐体、全体的にもっさりする挙動、ノースアップしかないマップ、アクセサリが雑など安いなりの部分はある
そのあたりが納得できればかなりお買い得サイコンだ。サブや初めてサイコンにはなかなか適任ではないだろうか
2024/7/18追記
屋内トレーニング開始に必要な操作がダルい点が見つかった。
スマホペアリングがしてないと屋内モードで計測が開始できない仕様 + 電源オフにすると動作モードが屋外サイクリングに戻る仕様があるため、トレーニングしたい時は
という一連の操作を毎回やる必要がある。
Lezyne SuperProGPSだと、屋内/屋外設定が起動時メニューに含まれており、スマホペアなし単独で動くため、とりあえず計測を開始できるのが便利だったが、NavPlusではそうは行かないようだ