VRアバターのベータテストを実施します!
— コトブキヤ宣伝 (@kotobukiyas) 2020年10月14日
コトブキヤが開発中のVRコミュニケーション向けオリジナルアバターの仕様調整を目的としたベータテストです。開発中のFBXファイルをご利用いただけます!
詳しい情報と参加方法については募集ページをご確認ください。https://t.co/V50nabifv4 pic.twitter.com/Mrh7F0Bsxk
これに当選したので、VRChatでゆるゆる使います。
#kotobukiya_dp001
— おめが( ゜ヮ゜)ノ@クロスマーケットセカンド2021年2月20日 (@Omegamega) 2020年10月22日
コトブキヤのアバター DP001ちゃん。とりあえずはこんな感じじゃないでしょうか
初手エプロン貫通しちゃってるけど、ソレ以外の場面ではだいたい問題ないかしら。アホ毛を盛大に動かすといいね
エプロンDBは諦めて最も基本な設定 pic.twitter.com/C7LvsdiAZR
使いました
※この記事は利用規約に基づいて公開しております
アバターを用いた活動の様子や改変方法などを記録した「画像」「動画」「文章」「音声」を
SNS、動画サイトへ投稿、共有、配信いただけます。
(これらの投稿内容については、ベータテスト実施期間経過後も公開を継続いただけます。)
配布パッケージ
- FBX、PNGテクスチャ、テクスチャ編集用のPSD
良くboothで販売されてるアバターのうち、UnityPackage依存のものがない、ぐらいの感触です。大昔のVRC向けアバターはわりとこんな感じで配布されていたらしい?…と風の噂で聞きました
ざっくりセットアップ
Avatar3.0のゼロからセットアップはやったことないので、慣れた2.0セットアップでさくっと。
fbxを投げ込んでrig設定。Chestとアゴが誤認識していたので変更する程度で完了。VRC_AvatarDescriptorを付けて、LipsyncもAutoDetectヨシ。
とりあえずVRCへ持ち込むとフルトラでも問題なく動きました。適当に踊ってみましたけど、フルトラ適正は十分に高い様子。ヨシ。
とりあえずUTSにする
そのままfbxを投げ込むとStandardShaderセットアップされるので、それをリファレンスにする。よくよく見ると目のマテリアル*1が透過(Transparent)なのでそこだけ注意しましょう
今回はUTSで仕立てます。顔の透過マテリアルはToon_DoubleShadeWithFeather_TransClippingを使って透過させますが、この時ClippingMaskを作る必要があるので、画像編集ツールでAlbedoテクスチャからよしなに作ります*2。
他マテリアルはToon_DoubleShadeWithFeatherを割り当て。BaseMap、1stShadeMapとかをよしなにやります。
できた。かわいい。
すっぴんではAvatarPerformanceRankはMediumでした。ポリ数的には3万△を切ってるんですが*3、SkinnedMesh6、Material12がGoodへの壁を阻んでいるようですね。とはいえ、服やパーツオンオフを可能にするためには仕方ない所ですし、VRChat PC向けアバターとして割り切れるなら問題にはならないでしょう
#kotobukiya_dp001 (アバター活動や改変方法等の情報配信は許可されています)
— おめが( ゜ヮ゜)ノ@クロスマーケットセカンド2021年2月20日 (@Omegamega) 2020年10月20日
フルトラも問題ないですね、さすが。素直~
スカート貫通は申し訳ないので、DynamicBoneとかアニメ仕込んで行きましょう pic.twitter.com/y9sq1LfmGD
エプロンが貫通してしまうためDynamicBoneを仕立てます
エプロンDynamicBone
難関でした。3回ほど作り直した。DynamicBone(以下DB)は髪の毛とかアホ毛とかリボンとか、貫通考えなくていい揺れものにはいいんですが、とにかく布感が求められるスカート系はそもそも用途合ってない感があります。ありますが、コレしかないのでやるしかない*4
#kotobukiya_dp001
— おめが( ゜ヮ゜)ノ@クロスマーケットセカンド2021年2月20日 (@Omegamega) 2020年10月20日
フルトラ動作確認~ pic.twitter.com/WNazzeZIU1
初回はこんな感じ。
ざっくり、「モモの内側にDynamicBoneCollider(以下DBC)をOutside設定で付け、エプロンのDBボーンを押し上げる」というオーソドックスなOutside手法と「モモの前にInside設定のDBCを付け、エプロンのDBボーンを引っ張り上げる」というInside手法があります。加えて、DBにはFreezeAxis(軸固定)設定があり、ボーンが横へ流れなくなる代わりにブレてDBCを突き抜けづらくできます。
この辺をあれこれ検証していくわけですが…、し、しんどい。Playを押してモモを回してDBCの位置調整して…抜けた…ウワーとかやるわけです。しんどい。
DP001ちゃんのしんどさは、エプロンのボーンの少なさ、特に奇数3本であることから来てます。3本しかないとエプロンは鋭角に変形し、なめらかな太ももと交差する可能性が高まります。また、3本ということは中央ボーンがあり、これが左右両方の足といい感じに動いてくれればいいんですが、DBにはそういう機構はありません*5
ということで初回はInside式*6、2回目はOutside式を試し、3回目はオーソドックスにOutside式+FreezeAxisという妥協になりました。FreezeAxisは横方向の揺れがなくなってしまうのでこの点では妥協です。ムズすぎる… これはボーン構造で解決してもらいたいですねえ。4本、6本あたりでエプロンボーン組んでもらうと良いかと思います。
いっそDBが使えない、VRChat/Questや、DB持ってないユーザ向けを考慮するなら、UpperLegにエプロンをくっつけてしまうのも手かもしれません。または、そういうDB不要版エプロンモデルを付ける、選択式にするとかも1つありですねえ
DB設定は、エプロン前、エプロンリボン、ウエストバッグ、髪の毛、アホ毛、胸で個別に設定しました。形状が崩れやすい部分、髪の毛とかエプロン、胸は硬めにちょっと遅れて動くぐらいで十分。逆にヒモに近いアホ毛(hair_01_M)をがっつり揺れる*7するとなかなかいい。いいですね。びよんびよん
表情
Avatar2.0構成なので、がとーしょこらさんのVRCAvatarEditor betaでサクッとアニメーションを付けていきます。はいできました。ここは何も困るとこはありません
リップシンク用blendshapeと、表情8種を眉/目/口 +αで分けて作られています。ジト目独立してあるのいいぞ~。
歯がちゃんとあって、ニッみたいな表情もあるのがコダワリ感じていいですね。口の中がしっかり作られてるアバターは珍しいんじゃないかしらん
…とおもって試していたんですが、リップシンクと噛み合うと崩れてしまいます。
#kotobukiya_dp001 口表情とリップシンクが重なった場合の例 pic.twitter.com/EYLVbDxi5w
— おめが( ゜ヮ゜)ノ@クロスマーケットセカンド2021年2月20日 (@Omegamega) 2020年10月30日
とはいえ普通のゲーム向けモデルだと、複数ブレンドシェイプを混ぜて再生するなどというしちめんどくさくなることはしないと思うので、これはVRCのスタイルが独特かもしれんと思いつつ、他プラットフォームではどうだろう?実装次第な気がするが… プラットフォーム側が愚直に実装してると、リップシンクのブレンドシェイプと表情が混ざりそうな気がします。
造形とか
かわいいですね。オーソドックスというかプレーン、明るくハキハキしたキャラで、全体バランスが良いというか破綻がない。それでいて、ちょいちょい目立つコダワリ、目立たないコダワリが随所に光る感じ
初期設定だとアホ毛に帽子とエプロンが個性を主張しますが、帽子とエプロンをとってしまうと、わかりやすかった特徴がアホ毛以外なくなります。
#kotobukiya_dp001
— おめが( ゜ヮ゜)ノ@クロスマーケットセカンド2021年2月20日 (@Omegamega) 2020年10月22日
コトブキヤのアバター DP001ちゃん。
エプロン、帽子、耳、髪はメッシュ別れていて、エプロン外した素体状態もかわいい。ミニスカート?が専用ボーンなし固定で付いてるのは珍しいかも
プレーンで健康的、襟とかふとももにコダワリ感じますねえ pic.twitter.com/uD586UCyYm
この他、顔と髪型、耳が脱着できます。これ以上の服の着脱はナシ。腕のテープもそのまま。
そう、耳。耳がきっちりモデリングされてるのは珍しいですよ。メッシュ別れてるのはなんでしょね、髪型交換した時に貫通しないようにとかでしょうか。マテリアル数を心配すると、顔に結合されててもいいような気もしつつ。イヤリングをアバターに着けたい人にオススメできる素体ですねえ
みつあみ編み上げも、襟がパリッと立ったアバターも珍しい気がします。キャラデザでは結構ありそうな気がするのにね
目のハイライト、色収差ズレっぽいのはよくよく確認してみると別メッシュで用意されてました。面白いコダワリポイント。blenderで見てみると、なにげにポリ数も結構割当られていてアップにも耐えられる画作り
ちょっと詳しくないのですが、視線制御が入ってなさそう…?自撮りでアップになった時に視線がズレてるように感じますが、どうなんでしょ。詳しい人に聞きたい所
腰回りはショートパンツとミニスカートの間の子のようなスタイル。スカート部にボーンはなく、UpperLegに固定されている仕様。揺れませんがDB不要で、動いた感じも破綻はないですね。非常にいい設計。DB持ってない人にも安心
太ももからもコダワリを感じます。アクセントにウエストバックが固定で付いてます。
スネから下は細め、そこにハイカットな大きめスニーカーが付きます。動かして見るとこれもはっきり存在感あって、フルトラダンスするには良い感じ。ソールパターンも描いてあります。膝関節が正面から見ると細すぎる印象があるかもしれませんが、まあ好み次第
総じて、フラットでパッと見は特徴ないんだけど、よくよく見るとどの部位にもあんまり見ないディテイルが盛ってある、という異常に凝ったモブという印象でしょうか。
全体的には細身ですが細身に見にくくなるメリハリや、小物が付いてる?
素体単体としてもかわいく、いろいろ乗せて個性を出すにも要素が競合することは少なそう
要望
ということで現時点の要望、困りポイントとしては、
- エプロンのボーン構成の改善。3本から4または6本へ変更
- エプロンのDynamicBone設定(VRMならSpringBone)設定はそれなりにしんどいので、設定済みPrefabがあると多いに助かる
- DB設定しないともれなく足を貫通してしまうのが、DB持ってない人には辛いかも。
- 逆に素体の、足一体化したスカート設計は良い割り切り
- リップシンクと表情が混ざるケースへの対処
- Avatar3.0セットアップなら、表情出してる時にリップシンクを殺す設定が入れられるはず?その仕様で設定済みPrefabを完成版では提供する案(モデル修正最小、VRCのみで有効/他アプリでの扱いは不明)
- 表情とリップシンクがかぶっても顔が破綻しないように/破綻を最小限にする案(モデル修正が大変だが、根本修正になる。一部の組み合わせだけは妥協する?*8
- 腰スカートあたりでZファイトするケースがある?*9
- 付属していたPSDが、FireAlpacaで読み込むとスッカラカンになってて使えなかった
- アバター/キャラクター名がない。検索しづらいのと説明しづらい。現状「コトブキヤのβテストしてる子」みたいな呼び方になってしまっていて困るので、名前を付けてほしい
あたりでしょうか。他はそこまで困ることはないというか、まあセットアップ済みPrefabはないものの、概ねboothで見かけるアバターと比べても不満点はないかなと
FAGとかのカスタマイズおもちゃを手掛けてることもあるのか、素体としての主張のしなさとコダワリと、外装エプロン/帽子から来るユニークさのバランス、アップで耐える絵にポリ数の少なさが高いバランスでまとまっている、いいモデルですねえ。
一旦、VRM形式や他プラットフォームでの利用は他の方に任せたいと思います
*1:BodyメッシュのElem1、DP001_face_alp_mt
*2:自分はFireAlphacaで"透明度保護"を入れてベタ塗り。透過部分を黒、不透明部分を白に塗りつぶす
*4:Cloth知らないので専門家頼む
*5:トリッキーな手としてConstraintを使えばそれっぽいのはできるかもしれないんですが、途中で挫折しました。やめやめ、オーソドックスなセットアップにしたい
*6:Inside式はめり込みが起きにくい代償として、板状にエプロンが跳ね上がってしまう
*7:Elasticityを小さく、Dampingを小さく、Stiffnessを高く
*8:具体例だとロポリこんちゃんは、ほとんどの表情でリップシンク合成しても問題ないが、口を大きく開けた表情では多少輪郭線が目立つのを受け入れたデザインになってる
*9:シェーダーによるかも。UTSでは発生してない様子