OculusQuest
あんなこと言っててアレだけど、OculusQuestを結局買った。公式から。
さっくり4,5日でFedex到着
これはすごい。ソフトの継続性は疑問だけど、お手軽6DoFでコントローラ付きVRだわ…快適
ただ、これで5万円が安いか高いかはもう分からなくなってしまっている。VRで5万は安い範囲だと思うけど、例えばPS4とかのゲーム機や他実用的な家電製品、スマホと比べ単機能なVRで5万円が安いと思えるかはわからない。
つまるところ、「全く新しい体験だけど単機能おもちゃ」に5万円が、手が出せるか、という話ではある。かつて、任天堂がファミコンを出す時に「本体価格を1万に収めよう」とした*1話に近い。
ソフトは既存PCのVRゲー移植がほぼすべてと言って良いので、PCVR勢にとっては新鮮味に欠ける。が遊んだことのない人は間違いなく楽しい、だろう。だろう、というのはもうその感覚がVRやりすぎて自分には分からなくなっているからだ。とはいえ何人か身近な人に被らせた感じはみんな楽しんでいたのでイケる。イケるデバイスだ。
あとはこのQuest体験と5万円が乗った天秤が、それぞれの人の中でどちらに傾くか次第だ
本体(HMD)
- 重いといわれるが初期Vive勢からみると、十分軽いと思う。ただ前後バランスは前に寄ってるのはたしかではある
- 外装はファブリック調でまとめられていて、高級感がある。
- 顔あては大きめ、眼鏡対応幅。眼鏡用の奥行追加パーツ付属。パッドがファブリック調なので肌触りは良いが、汚損は心配。公式交換パーツはそこそこいい値段なのが悩ましい
- ベルクロ調整+スライド固定はシンプルながら上々。
- 頬に荷重が乗ってつらい場合は、公式映像を参考に正しい順序で装着するといい。HMDを顔に当ててから、後頭部へベルトをスライドして載せる。左右ベルトの長さをベルクロで調整。最後に頭頂部ベルトを気持ち短めにして、頭頂部ベルトで荷重を分散させるようにするのがコツ
- 鼻の穴はひろい
- レンズのスイートスポットはViveと比べ良い。多少雑に被っても視界がぼけたりずれたりしなくてよい。レンズフレアは少ない
- ELパネルの黒は確かに綺麗
- 視野はViveと比べ気持ち狭い?各種ゲームでは軽量化されたグラフィックと合わせて。パリッとハッキリした感じ。視界縁は気にしていれば明確にfoveated renderingで解像度が下がっているのが見える(解像度が変わる継ぎ目がある)が、動いてる分にはあまり気にならない。スクショ撮影すると解像度落ちは汚い
バッテリー
- バッテリーは公式通り2時間が確実で、それ以上はアプリ次第といった感じ。十分な時間だと思うが、後述する充電の遅さを考えると悩みがないわけではない
- 充電は遅い。USB TYPE-C純正の5V3Aアダプタをつないだまま遊ぶと微増程度。どうも発熱でスローにしている噂もあるので、確実に充電させたいならスリーブではなく電源オフがよさそう
- 3Aということでケーブルと出力は気にする必要があるが、5V供給なので比較的どんなUSB充電器/モバイルバッテリーでも最低限の充電はできそう
- 額のあたりに接近センサーあり。ここで顔を検知してスリープするが、持ち歩きの時にここが反応してしまうと、カバンの中でバッテリーを消耗してしまうケースが出るのはGO同様の様子。念のために電源オフで持ち運ぶのがよさそう
コントローラー
- 旧Touchのフィット感と比べるとまずまず。全体的に質感は下がっているが、機能は不満ないよう注意を払ってコストダウンした、という印象を受ける
- トラッキングは十分。稀にロストすることがあるが、致命的というほどではない感じ。範囲も十分、万歳も手をHMDに近づけても問題ない。総じてWinMR以上、Vive未満で不満はない。
- スティック、ボタンはいい感じ。Viveに欲しかったのはこれなんだよなあ…と思わせてくれる
- トリガーボタンの質感がチャチい、振動がいわゆるHD振動ではない/ケータイであるようなプルプル振動でチャチい、グリップ部が小さくホールドしづらい、重心が前よりのトップヘビーで時々手の中で逆さまになる、といった細かい点は気になったが、問題というほどではない
- ストラップはナックルコントローラー式の方がよかったかもしれない
- バッテリー持ちは良い。片側単三1本で8~10時間といった感じ。HMD内から残量は読める
OSとプラットフォーム
- 設定はスマホのホストアプリで設定する形。決済設定も同様
- 初期設定でWifi設定とちょっとでもうVRを始められる。
- それ以外はすべてHMDの中で操作が完結していて素晴らしい。とはいえ、キーボード入力については厳しい(他のVR、MRデバイスでも同様だが)
- 仮想ウォール設定のガーディアンシステムすごい。これだけで未来デバイス感がある。
- ミラー、VR視界を外部で見る手段がちゃんと用意されてるのは、他人にHMDかぶせてガイドするとき便利。一番楽なのは、ホストアプリを入れたスマホでできるので、持ち出す時に荷物がコンパクトで済む
- スクショ、動画キャプチャ。システムに組み込まれているのは楽、そのままpublishできるのがFacebookしかないのはつらい。内蔵ブラウザでtwitterログインしてみたが、ファイルアップロードはダメだった。PCとUSBでつないでストレージアクセスはできるが、面倒
システム全体
- 総じて高い完成度でまとまってる。高級感があり、購入してからVRを体験するところまで滑らかに体験できる。たしかにエポックなマシンだ
- 6DoFが紐なしコントローラありで遊べるのは最高。性能やバッテリーは妥当だろう。FBロックインは気になる
- VirtualDesktopのSteamVR対応をOculus社が削除要請する事例があったことで、早くもプラットフォームの意向が見え隠れしてしまった。adb(Android開発ツール)を使って、独自ソフトを入れるルートもあるが、そのフローで必要な「開発者登録」はOculus社への登録が不可欠であり、将来的に手を入れられる可能性は否定できない
ソフト類
チュートリアルFirstStep
- Quest専用チュートリアル
- 一通りの操作に、ミニゲーム2種(ガンシューティングとダンス)が含まれてて、楽しい。チュートリアル中の気球ドローン操作たのしい
- Rift用チュートリアルだったFirstContactもQuest版が無料で手に入りあそべる。だいたい内容は被っているが、Contactと比較してさっぱりスッキリしたビジュアルに、段階的に操作が増える丁寧な作りになっている
- とりあえずQuestをかぶせて遊ばせるには最適
ゲームBeatSaber
- ここ1年のVR音ゲーといえばコレ、という感じのBeatSaber
- コントローラの違い、トラッキングの違いからフワッとした違和感はあるものの、ほぼPCの感触で遊べる
- キューブの透明感がなくなってたり、障害物の透明赤ブロックが不透明になったり、セイバーのオーラが明確にビルボードになってたり、LevelFail時のブロックが溶ける演出が差し変わってたり、重い演出は削られてるのは分かる
- Demo版ありではあるが、とりあえず買っとけ系タイトル
- PC版であった曲追加MODが早くもリリースされている。作業内容はウィザード形式でまとまっていて(Quest専用操作で)迷うところは少ないが、開発者登録などの作業も慣れないユーザにはややハードルがあると思う。
- 今後、BeatSaber開発者がふさいでくるのは考えづらいが、今後Oculus側が手出しをしてくる可能性は考えられる
ゲームGameCentral
- XBox360のKinectダンスゲーの続編
- KinectからVR化したことで足のトラッキングはなくなってしまったが、代わりにダンスクラブの雰囲気を体験できるようになった。
- 各種操作を仮想スマホにまとめてるのがなかなか面白い。マップのテレポート移動、曲の選択、各種オプションに加えて、NPCとの会話ストーリーがメッセージアプリ上で展開していく。なかなか自然なUIで感動した
- 仮想スマホを投げ捨てるとちゃんとヒビが入るたのしい
- オンラインマルチがアバターがあったりとSNSを意識した作りになっているようなのだけど、まだ試せていない。
Quest版VRChat
- これこれ、これである。VRChatが動くのか?ちゃんと動くならこれが自分によってのキラーソフトで良い、ぐらいのつもりでQuest購入したとも言える。またはQuest対応アバターを作ってしまったので、自分の目で動作検証してみたくなったともいう
- 思ったより快適で違和感なく動く。とはいってもPC版アバターやワールドは表示されないが、Quest用ワールドの範疇ではそんな困らない
- 同一ワールドで近場10人を超えると音声プチプチが厳しくなる印象だが、PCでも15人ぐらいから厳しくなるので、こんなもんだろう
- カメラ機能がない。これは早く欲しいところだが、DanceCentralの類似機能にプレビューがなかったことを考えるとスペック的に厳しいのかもしれない
- 観測問題ではあるけど、Questの登場によってActiveなワールドの数が激増している、つまりVRChatの全体アクティブ人口が増えてる。ざっくりだけど数倍から十数倍の印象。連日CrossPlatformワールド数がとんでもない量アクティブになってる
- 対応ワールド、アバターはまだまだ少ない。とはいえ、直近たどMurder2がQuest対応ワールドとしてリリースされたり、遊べるワールドは増えてきている様子。
- JP tutorialも連日人が来るようになっていて、夜に行くと有志による勝手チュートリアルを受けたり、逆に初心者を待ち受けてワイワイできる。Himiko AvatarWorld:QuestはQuest版が独立してこれまた便利。VRChatフレンドを広げるには今がチャンスだろう
- 一方で、Questユーザがたむろってる日本語publicワールド*2はいまいちわかってない。確立しているのだろうか?
- この辺Questユーザがどう定着して、PCユーザとどんな関係になっていくかは今後気になるところ
- Viveユーザからすると、スティックでの移動は非常に楽で、ジェスチャー操作は戸惑う。grip(サイドキー)とuse(トリガー)が分かれてるのは、誤操作少なくてよい。VRChatのValveIndexコン対応を聞くかぎり、ViveコンよりはTouchコンの操作方法の方が公式推奨の操作法だろう
ワールド自作、やってみたらできたQuest対応。Just Redflag、小物いっぱい作ったのとカメラギミックがんばってみたので見て〜
- 適当にCube積み上げたワールドのような感じでポリ数等に無理がなければ、すんなり対応できる。シェーダーをVRChat/Mobile系に差し替えるだけでほぼアップのみは通る感じ
- ただし軽量化は多少コツがいるようす。適当にサイズダウンするとテクスチャノイズが目立つようになったりするので、この辺は要調整
- テクスチャ圧縮アルゴリズムがPCと変わってノイズが出やすくなったりしてるところは、低解像度&非圧縮の方がいいケースもあり
- 具体例。Lightingをbakeするときは、LightmapResolutionを小さく(自分は10texelperunit程度に)、Sizeを小さく(自分は256を試し中)、CompressLightmapsをFalse(縞が目出つのを防ぐ)という感じにしている。ライトマップテクスチャの枚数を見て、Sizeを大きくするのはありかもしれない
- カメラギミックもそのままで動いた。念のため解像度を落として設置している
- ミラーはlocalON/OFFで露骨にfpsが変わるので、やはり性能はつらそうではあるが… なんか他が動いてると本当に性能が低い?のかよくわからんね。ミラーON/OFFを自動化してるワールドが多いのも納得
- こうしてみると制限が多いが、逆に見るとVRC_xxxx系のコンポーネントは制限がないので、ゲーム系ワールドは特に問題なく移植できそうな気配を感じる。事実Murder2はQuest対応版がリリースされた。
- アバターの制約に対して、Quest版ワールドの制約は相対的には少なく自由度があるように感じる?ワールド作成者にとっては、突如需要が沸いてる状態と思える